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2019年11月14日(木)

第98回全国高等学校サッカー選手権大会東京都大会二次予選
都立東久留米総合高校対関東第一高校 

マッチレポート
第98回全国高等学校サッカー選手権大会 東京都大会2次予選Bブロック準決勝
都立東久留米総合高校 対 私立関東第一高校
2019年11月10日(日)13時キックオフ
会場 味の素フィールド西が丘
試合形式 80分 延長20分 以後PK戦
天候 晴れ 気温 18℃ 湿度 46% 風 北東1.6m/S

前半    都立東久留米総合 0-0 関東第一
後半             0-0
延前             0-0
延後             1-0
合計    都立東久留米総合 1-0 関東第一

・・・・・

マッチレポートに入る前に東久留米総合高校並びに関東第一高校が所属する「高円宮杯JFA・U-18サッカーリーグ東京・カテゴリーT1」の現時点(全18節中15節消化)における得失点差について記載しようと思う。



関東第一は「マイナス4」。それに対して東久留米のそれは「マイナス30」。このデータから見えてくるものは何だろう?



深く考えずにコメントする人なら、こういうかもしれない。「そんなに失点してるの? ディフェンス悪いんだ?」と。



因みに僕の考えとしては、「東久留米は失点の分だけ、その理由について研究し、更に成長する機会を得ることが出来た」と考えた。僕たちは結論を知ってしまっている為、すべてのコメントが後付けとなってしまう訳だが・・、今試合で見せた東久留米のディフェンス力というものは、そういった経験と「そこからの成長」を積み重ねていったものが体現化されたものなのだろう、と僕は思っている。

さて、マッチレポートを書こう。

「前半戦」

立ち上がり早々、左サイドからのアタックを見せたのは東久留米総合3年、FW12番の松山翔哉(まつやましょうや)。巧みなボールタッチと緩急の利いたドリブルで関東第一ゴールへと向かう。



東久留米は技術力の高い関東第一に対し、しっかりと守り、カウンターを狙う。対する関東第一は、ボールを動かしながらチャンスを伺うという図式で試合は進んだ。

両チーム、セットプレーからもゴールチャンスを狙い続けるが、私には、なかなか「ゴールのにおい」が脳へと伝わってこないゲームとなった。

理由は、両チームの最後の砦であるゴールキーパーのレベルが高かったからだ。関東第一3年、1番の出口貴也(でぐちたかや)。そして、東久留米3年、同じく1番の酒井真(さかいまこと)の存在感があまりにも大きい。それに加えて、両チームのディフェンス陣も強固な競り合いを見せていた為、「セットプレーからは簡単には得点シーンは生まれないだろうな」という思いを抱きながらペンを動かし続けた。





もうひとつ書き加えよう。「上手なプレイヤー」に本来の力を発揮させない為に必要不可欠なもののひとつは、「激しいプレッシャー」だ。技術力、突破力、得点感覚に優れたプレイヤーは、「自由」にさせてしまうと手が付けられなくなってしまう。東久留米は終始、「100%」のプレーをさせない為のプレッシャーを続けていた。



前半の決定機は2回。最初に演出を手掛けたのは東久留米だった。

関東第一の前線へのフィードを中央センターライン付近でカットした19番3年MFの田中陸渡(たなかりくと)から3年6番MF足立真(あだちまこと)、右サイドを駆け上がる3年11番佐藤海翔(さとうかいと)へと繋ぎ、最後はゴール前中央へと巧みなカットインからニアサイドへと走りこんだ松山へとセンタリングが向かっていく。









ディフェンスとの距離は1m強、「マークを外した」と言って良い距離だ。事実上フリーとなった松山がヘディングでゴールを狙うが、このシュートはバーの上を越えていってしまう。両腕を空高く突き上げたサポーターたちの掌の着地点は自身の頭の上となった。大歓声の後、大きなため息がスタジアムの空気を揺らす。

次の決定機を作ったのは関東第一FW3年、4番の横山慎也(よこやましんや)。東久留米ゴール前、反転シュートから強烈な右足シュートを放つが、東久留米GK酒井が俊敏な反応でボールの軌道を変えた。今度は黄色に染まった応援席から大きなため息が聴こえてくる。



見応えは充分。互いに気持ちのこもったプレーを出し合い、スコアレスのまま前半戦が終了する。



前半スコア 【東久留米0対0関東第一】

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「後半戦」以降はこちらからどうぞ。

写真 笠井亨(かさいとおる)早川治(はやかわおさむ)
記事 早川治(はやかわおさむ)