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2015シーズンより、Fリーグ(日本フットサルトップリーグ)ペスカドーラ町田オフィシャルライターとして記事を書かせて頂くことになりました。
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各試合の結果詳細をご覧ください。



オフィスオサムは都立東久留米総合高校を応援しています。



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2017年10月19日(木)

第96回全国高等学校サッカー選手権大会 都立東久留米総合高校対私立修徳高校

マッチレポート
第96回全国高等学校サッカー選手権大会 東京都大会2次予選Aブロック1回戦
都立東久留米総合高校 対 私立修徳高校
2017年10月15日(日)10時キックオフ
会場 都立東久留米総合高校グラウンド
試合形式 80分 延長20分 以後PK戦
天候 雨 気温 14.7℃ 湿度 95% 風 北2m

前半    都立東久留米総合 0-0 私立修徳
後半             1-0 
合計    都立東久留米総合 1-0 私立修徳

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 今回のマッチレポートは2016年11月5日、第95回全国高等学校サッカー選手権大会東京都大会二次予選Aブロック準決勝終了後、ロッカールームでの話を終えた齋藤登監督が呟いた言葉から始めたいと思う。





齋藤:「今日、置いていってしまった忘れ物を来年取りに戻ってこないとな・・・」





 あれから1年が経つ。齋藤登監督が指揮をとる最後の大会。第96回全国高等学校選手権大会の幕が上がる。

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「前半戦」

 修徳の戦術は徹底されていた。前線からの積極的なプレスではなく、リトリートで東久留米の攻撃に対応。しっかりと守ってから突破力のある攻撃陣へとボールをフィードし、東久留米ゴールへと向かうという作戦だ。



 東久留米からのボール奪取に成功したディフェンス陣からのボールを受けたFW10番樋口寛太(3年)、FW11番松林空(2年)、MF7番横須賀郁哉(2年)等が東久留米ゴールへと襲い掛かる。



 バックネット裏から大歓声を送り続ける仲間たちの力を背に受けた修徳選手の勢いはすさまじく、試合の主導権を握ったと言っても過言ではない攻撃が続く。
 10分に横須賀がドリブルから強烈なシュートを放つ。更に17分には樋口の右足シュートが東久留米ゴールへと向かうが、得点には至らない。



「勢い」は完全に修徳が手に入れた。対する東久留米も持ち前のパスサッカーで修徳ゴールへと向かおうとするが、この試合では早すぎる最前線への仕掛けが修徳ディフェンス陣に奪われてしまう。ボール奪取に成功した修徳ディフェンス陣は、裏のスペースへと突破を狙う東久留米攻撃陣を置き去りにし、フリーで前線へとフィードすることが出来る。その後は前述の攻撃が待っている。





 なかなかチャンスを作れなかった東久留米だったが、FC府中出身の二人が24分に魅せる。MF7番小野寺竜也(3年)とMF10番下川晴(3年:主将)が右サイドからチャンスを作り出す。



 下川の右足を離れたボールが修徳ゴールへと向かう。今度は東久留米大応援団の大歓声が会場に響き渡るが、シュートはポストの脇を通り過ぎていく。





 今度は修徳が決定機を作り出す。東久留米ゴール前へと抜けだした樋口がゴールを狙うが、東久留米の守護神澤田亜藍(3年)がファインセーブで得点を許さない。





前半スコア 【東久留米0対0修徳】

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「後半戦」

 前半とは一変。後半開始早々から東久留米の攻撃が続く。
 前半戦のようなディフェンスライン、もしくは深い位置でのハーフ間でのパス回しではなく、最前線でのボールが繋がり始める。





 東久留米はこのチャンスを見逃さなかった。後半開始から僅か4分、右サイドを突破したFW2番島村優志(3年)からのボールを中央で受けたMF13番矢野良輔(3年)が右足を振り抜く。





 矢野のシュートが修徳ネットに突き刺さる。先制点は都立東久留米総合高校だ。



 待ちに待った得点が東久留米に火をつける。下川、島村らのシュートが修徳ゴールへと向かう。





 流れを変えたい修徳は突破力のあるドリブラーMF15番刑部泰生(2年)を投入し、攻撃力アップを試みる。刑部のキープ力は高く、修徳が再度流れを手に入れた。



 じわじわと東久留米ゴールでの攻撃時間を増やしていく修徳が決定機を手に入れる。コーナーキックから粘り強い球際での勝負でボールを押し込もうとするが、東久留米も堅守でゴールを許さない。



 残り時間が無くなっていく中、今度は齋藤監督が動く。FW9番三上智哉(3年)に代え、スピードのあるFWの結城篤弥(2年)を投入。絶対に同点弾を手に入れたい修徳裏のスペースへの抜け出しを狙う。





 双方譲らない展開の中、より多くのチャンスを作り出したのは東久留米だった。しかし、最後の最後まで諦めない修徳選手たちが魂の籠った守備でゴールを許さずに試合が進んでいく。





 ロスタイムは2分。日常生活ではあっという間に過ぎ去る時間が、選手たちにとって、とてつもなく長い時間に感じられる残り時間の始まりだ。



 どちらのチームも最後まで全力で走り、戦い続けた結果のスコアは「1対0」。主審のホイッスルが鳴り響き、トータル90分のランニングタイムが終了した。









後半スコア 【東久留米1-0修徳】
合計スコア 【東久留米1-0修徳】

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 修徳選手たちのもとへと東久留米選手たちが試合後の挨拶に向かう。

「おい!!、お前ら、勝てよ!!」
「俺らの分まで頑張れよ!!」
「クルソウ頑張れ!!」

 たった今、敗戦という結果と向かい合った修徳選手たちの中には誰一人、野次を飛ばすような選手はいなかった。激励の前で東久留米選手たちが深々と頭を下げ続ける。



 古くから高校サッカーを観戦している人々の中で「名門修徳高校」の名を知らない人はいるのだろうか? それは東京という枠ではなく、全国という「くくり」でも知らない人は少ないのかもしれない。



 齋藤登監督東久留米最後の年。都立久留米高校から統廃合により名を変えた都立東久留米総合高校は、過去に一度も手に入れたことのない「全国での初勝利」を手に入れる為の舞台へと駒を進めることが出来るのだろうか?

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 私たちサポータが出来る事。それは「心からの応援を続けること」だ。

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齋藤:「今日、置いていってしまった忘れ物を来年取りに戻ってこないとな・・・」

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 2回戦の会場は都立東久留米総合高校グラウンド。2017年10月22日(日)午前10時キックオフ。対戦相手は都立狛江高校だ。

写真 笠井亨(かさいとおる)早川治(はやかわおさむ)
記事 早川治(はやかわおさむ)