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2016年11月15日(火)

第95回全国高等学校サッカー選手権大会の話 その7

マッチレポート
第95回全国高等学校サッカー選手権大会 東京都大会2次予選Aブロック準決勝【2】
都立東久留米総合高校 対 私立成立学園高校
2016年11月5日(土)13時キックオフ
会場 味の素フィールド西が丘
試合形式 80分 延長20分 PK戦
天候 晴れ 気温 18.0℃ 湿度 35% 風 無
観客数 4538人 ピッチ 全面良芝 ピッチ(表面)乾燥
主審 木川田 博信 副審1 中村 多利 副審2 高田 直人 第4審判 宗友 雅輝

前半    都立東久留米総合 0-1 私立成立学園
後半             0-0 
合計    都立東久留米総合 0-1 私立成立学園

シュート数 都立東久留米総合 2ー8 私立成立学園

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 各選手の能力が高く、攻撃力のある成立に対し、東久留米は陣形を整え、粘り強く対応を続けるという展開で試合は進んだ。







 成立がボールを動かしながらチャンスを窺う。FW森田裕也、同じくFWの竹本大輝、MF萩原幹太、MF鈴木龍之介らが東久留米ゴールへと向かうが、東久留米も堅守でゴールを許さない。









 対する東久留米もDF内山隆弘のロングスローでチャンスを作り出そうとするが、成立ディフェンス陣も堅い守りで決定機を作らせない。



 粘り強く対応を続けた東久留米だったが、25分、成立に先制点を許してしまう。左サイドペナルティーエリア内、成立キャプテンDFの西羽開が右足を振り抜く。西羽の右足を離れたボールが東久留米ネットに突き刺さった。





 27分には、東久留米も米山達也が放った今試合初のシュートが成立ゴールへと向かうが、得点を奪うには至らない。



 成立ペースで試合が進む。しかし、東久留米齋藤監督に不安の表情は見受けられない。
「ボールは成立が動かしても良い。けれども、ボールを奪ったら焦らずに展開しろ。君たちなら日々練習を続けてきたことを必ず体現し、ゴールへと向かうことができる」
 私には監督がそんな風に言っているように見えた。













 後半に入っても試合の図式は変わらない。成立選手たちのキープ力は高く、プレッシングをかけてもなかなかボールを奪うことが出来ない。けれども、全くボールが奪えなかった訳ではない。ボールを奪う場面はあった。しかし、その後が続かない。本来の東久留米らしさであるボール回しは影を潜めながら時間が経過していく。













 試合後の齋藤監督コメントを書きたいと思う。

「守備、そしてチームコンセプト、戦い方という意味では、彼らは本当によくやってくれたと思う。僕の頭の中で描く試合プラン、ゲーム運びを忠実に実行してくれた。彼らには心から感謝しています」

 粘り強く戦え。そうすれば、必ずチャンスはやってくる。



 32分、東久留米に決定機が訪れる。右サイドを突破した小島悠太が中央ゴール前へと走りこんだ岡野雅也へとボールをフィードする。岡野はフリーだ。

 東久留米サポーターたちが立ち上がる。しかし、ボールは枠を捉えることは出来ず、歓声は悲鳴へと変わってしまう。





 決定機で同点弾を叩きこむことは出来なかった。しかし、「きっかけ」を掴んだ東久留米は後半終了間際、ギアを上げていく。

 最後の挑戦を続ける東久留米。だが、成立は冷静に対応を続けた。試合全体を通じての各選手の的確なボールタッチ、そして軽やかなボール回しは衰えを見せない。



 ホイッスルが鳴る瞬間まで、成立ゴールへと向かい続ける東久留米。しかし、成立の守護神園田悠太が立ちはだかる。







 80分の時を刻む砂時計の砂は落ち切った。レフェリーのホイッスルが西が丘のピッチに鳴り響く。





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 試合終了後、ロッカールームでの話を終えた齋藤登監督はこう呟いたそうだ。

「今日、置いていってしまった忘れ物を来年取りに戻ってこないとな・・・」

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 西が丘の門は1年に一度だけ開く。この場所に忘れてしまったものは、1年後にしか取りに来ることが出来ない。



 さぁ、新たな挑戦の始まりだ。来年、このピッチへと東久留米は戻ってくることが出来るのか? 新生ペガサスに心から期待したいと思うと同時に、もうひとつだけ付け加え、今回のマッチレポートを終了したいと思う。

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 都立久留米高校、そして、都立東久留米総合高校は、今回の忘れ物以外にも取りにいかなければならないものがある。それは、西が丘、そして駒沢陸上競技場で手に入れられなかった「全国での勝利」だ。

 大きな目標へ向かって、日々努力と挑戦を続けていってほしいと切に願う。それは、生半可な気持ちでは、絶対に手に入れられないものだから。











 今後も「空色の戦士たち」を心から応援したいと思う。

 挑戦を続けよう。都立東久留米総合高校。



写真 笠井亨(かさいとおる)早川治(はやかわおさむ)
記事 早川治(はやかわおさむ)