2015年11月8日(日)
第94回全国高等学校サッカー選手権大会東京都大会2次予選の話 その4
2015年11月7日(土)に行われた第94回全国高等学校サッカー選手権大会2次予選Aブロック準決勝第2試合、都立東久留米総合高校対私立駒澤大学高校戦の取材に行けたので、マッチレポートを掲載いたします。今回はシンプル版ですが、次回はもう少し細かく、そして写真付で試合を振り返りたいと思います。
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第94回全国高等学校サッカー選手権大会
東京都大会2次予選 Aブロックベスト4
都立東久留米総合高校 対 私立駒澤大学高校
2015年11月7日(土)
会場:味の素フィールド西が丘
キックオフ:13時00分
「マッチレポート」
・・・・・ 「前半戦」
試合の主導権を握ったのは駒澤大学高校(以下駒澤)。3バックシステムを採用する東久留米総合高校(以下東久留米)がボールを繋ぎ、サイド攻撃を仕掛ける場面を作り出す機会をなかなか与えない為の戦術が良い方向へと進む。
駒澤はシンプルに東久留米3バックの裏へとボールをフィードする。そこに走り込み、攻撃の起点をなるのがNO10FW深見侑生だ。起点は深見だけではない。NO6MF春川龍哉もタイミングを図って最前線へと顔を出し、東久留米ゴールへと向かうが、東久留米ディフェンス陣NO2飯塚小次郎、NO3吉田恭平、NO4井浦智史が粘り強く戦いゴールを奪わせない。
攻撃権を奪い返せば、東久留米も駒澤ゴールへと向かう事は出来ていた。14分、NO19MF野々村大輝が左足でゴールを狙うが、駒澤ゴールキーパーNO1鈴木怜がゴールを許さない。
同分、右サイドを突破したNO9FW大庭諒介から中央へと走り込んだ野々村、NO11FW武田海青と繋ぎゴールを狙うが、枠を捉える事が出来ない。
東久留米が攻めれば、駒澤がやり返す。言葉だけ見れば5分5分だが、攻撃時間が長かったのは駒澤だ。
ボールを東久留米ゴール前へとフィードする。そこで粘り強くボールをキープする。キープ出来なかったとしても、東久留米に大きなクリアをさせず、アウトボール後のスローインからの波状攻撃を続けた。右サイドからNO2DF高橋勇夢、左サイドからはNO5DF村上哲のロングスローでチャンスメイクを試みる。
スコアレスのまま試合は進んだ。しかし、「耐える東久留米」という言葉が当てはまる前半戦だったと言えるのではないだろうか。
前半戦【東久留米0-0駒澤】
・・・・・ 「後半戦」
後半開始早々の40秒、駒澤村上がインターセプトから東久留米ゴールへとドリブルを開始する。左足を豪快に振り抜いたボールがゴールへと向かうが、ボールはゴール右へと逸れていく。
東久留米もやり返す。右サイドを突破した大庭が中央へのセンタリングからゴールを狙う。左サイドをドリブルで突破した武田が中央へと走り込んだ大庭へと合わせるが、またもGK鈴木が立ちはだかる。
東久留米に全くチャンスが無い訳ではなかった。だが、後半に入っても図式は変わらない。駒澤が前線にボールをフィードする。それをキープし、ゴールへと向かう。東久留米のクリアは小さく、波状攻撃を続けられてしまう。
基本的な図式は変わらない。しかし、後半は更に駒澤のギアを上げていく要素が加わった。それは、「インターセプト成功率が増えた事」と「ルーズボールの支配率が上がったこと」だ。
駒澤の攻撃が続く。東久留米選手たちは身体を張り、最後の最後までプレスをかけ続ける。フリーキックから、個人の突破からシュートを放たれてしまった場合には、守護神NO1井上大地が砦を守り続けた。
「耐える東久留米」だったが、67分、今試合初めてネットを揺らしたのは駒澤。右サイドからのボールを中央フリーとなったNO7MF竹上有祥が右足で合わせる。ゴールキーパー、そしてバックアップに入ったディフェンス陣の位置を冷静に観た彼のシュートが東久留米ゴールへと吸い込まれていく。【東久留米0-1駒澤】
残り時間は13分。ここまでの内容を考えると、東久留米にとってはかなり厳しい状況となった。円陣を組み、試合が再開されるセンターサークルへと向かう選手たち。決定機が無かった訳ではない。「東久留米らしさ」の体現に空色の戦士たちが挑む。
しかし、その後も駒澤の勢いは衰えない。波状攻撃が続く。そして、激しいプレスが東久留米選手たちに考える余裕を与えさせなかった。
攻撃をしたいのは東久留米だった。だが、試合終了間際まで駒澤の猛攻が続く。
ロスタイムは2分。東久留米にラストチャンスがやって来る。センターサークル付近でフリーキックを得た東久留米が最後となるであろうセットプレーに臨む。残り時間が無い。守護神井上大地も加えたパワープレーを求める声も聴こえた。ベンチに確認を求める井上。だが、齋藤監督はそれを実行させない。
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「たられば」の話だ。もしかしたら、井上のヘディングシュートが同点劇を作り出したかもしれない。だが、それは現実にはならなかった。
過去に東久留米はゴールキーパーを加えたパワープレーから、サッカーでは非常に珍しいパワープレー返しを受けたことがある。監督の脳裏にはそのことが浮かんだのだろうか? 私には分からない。また、インタビューを実施しようとも思わない。
私にはこう思えた。
「彼らならこのままでも得点を取ってくれる。今日の彼らはいつもの彼らではない。駒澤が良いということは理由にある。でも、彼らはもっとやれるんだ。」
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合計80分。東久留米のゴールシーンは訪れずに試合終了のホイッスルが西が丘に響き渡る。2年連続スコアレス、1点差での準決勝敗退が決まった。
後半戦【東久留米0-1駒澤】
合計スコア【東久留米0-1駒澤】
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Aブロック決勝戦、駒澤大学高校は、私立堀越高校との戦いに臨みます。私は東久留米総合(旧久留米高校)の卒業生ですので、素直な気持ちとして駒澤高校の躍進を期待したいと思います。東久留米の分まで頑張ってください!!
写真付マッチレポートは近々更新します。
写真・記事:早川治(はやかわおさむ)